抵当権と根抵当権の違いを徹底解説|資金繰り改善に活かす正しい担保の考え方

抵当権と根抵当権の違い、正しく理解できていますか?

こんにちは。
行政書士で、資金繰り改善専門の財務コンサルタント、西澤です。

「銀行から融資を受ける際に、不動産に担保を設定してくださいと言われた」
「抵当権と根抵当権、どちらを設定すべきなのか分からない」

このようなご相談を、資金繰り支援の現場で非常に多くいただきます。

実は、抵当権と根抵当権の違いを正しく理解していないことで、
将来の追加融資や資金繰りに大きな不利を被っている中小企業
も少なくありません。

本記事では、

  • 抵当権と根抵当権の基本的な違い
  • 資金繰りの観点から見た重要ポイント
  • どちらを選ぶべきかの考え方

を分かりやすく解説します。


抵当権とは?
【一度きりの借入に対応】

抵当権とは、
「特定の借金(債権)」を担保するために設定される権利です。

抵当権の特徴

  • 特定の債権を担保
     → ある一つの借入に対して設定される
  • 借入ごとに設定が必要
     → 追加融資を受けるたびに、再度設定手続きが必要
  • 完済すれば消滅
     → 借金を返し終わると、担保権は自動的に消える
  • 住宅ローンでよく利用

Aさんが住宅ローンで1,000万円を借りる際に、自宅に抵当権を設定。
Aさんが完済すれば、その抵当権は消滅します。


根抵当権とは?
【将来の借入までまとめて担保】

根抵当権とは、
「将来発生する可能性のある複数の借金」をまとめて担保する権利です。

根抵当権の特徴

  • 不特定多数の債権を担保
     → 将来の借入も含めて一括担保
  • 一度設定すれば繰り返し利用可能
     → 限度額内で、何度でも借入と返済ができる
  • 完済しても消滅しない
     → 限度額が残っていれば、再度借入が可能
  • 企業の融資・運転資金で多用

Bさんが経営する会社が、銀行と取引開始時に根抵当権を設定。
将来、運転資金が必要になった際、
限度額の範囲内で繰り返し借入ができます。


抵当権と根抵当権の違い

区分抵当権根抵当権
担保の対象特定の債権不特定多数の債権
設定の回数借入ごとに必要一度設定すれば繰り返し利用可能
消滅のタイミング債務完済で消滅完済しても消滅しない(限度額内で再利用可)
主な利用例住宅ローン企業融資・不動産担保ローン

資金繰りの観点で見る「本当に重要なポイント」

ここが、経営者の方が見落としがちな最大のポイントです。

① 根抵当権を設定すると「他行融資」が難しくなる

根抵当権は、
将来の借入までまとめて担保に入るため、

  • 他の金融機関から融資を受けたい
  • 追加で不動産担保を活用したい

といった場面で、
「すでに担保が押さえられている」という理由で
融資が通りにくくなるケースが多発します。


② 安易な根抵当権設定が、資金調達の選択肢を狭める

銀行から
「とりあえず根抵当権を設定しておきましょう」
と言われるままに設定してしまうと、

  • 将来の資金調達の自由度が下がる
  • 金利交渉・借換え交渉が不利になる
  • 他行との取引拡大が難しくなる

といったデメリットが生じることもあります。


③ 逆に、うまく使えば資金繰りは大きく改善できる

一方で、
戦略的に根抵当権を使えば

  • 急な資金需要にも即対応できる
  • 追加融資のたびに手続きが不要
  • 銀行との関係性を強化できる

など、
資金繰りを安定させる強力な武器にもなります。


結局、抵当権と根抵当権はどちらを選ぶべき?

結論としては、

「どちらが正解」ではなく、
 自社の資金繰り戦略に合っているかが最重要

この判断を誤ると、
数年後の資金繰りに大きな差が出てしまいます。



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