「小さく生んで大きく育てる」
―日本政策金融公庫が創業時に大切にする資金計画の考え方とは？
無理なく、
着実に事業を
軌道に乗せるための
“スモールスタート”
という選択
なぜ「小さく生む」ことが重要なのか？
こんにちは、行政書士で創業融資支援の財務コンサルタント西澤です。
創業時は「できるだけ大きな資金を借りて、スタートから一気に加速したい」と考える方も少なくありません。
ですが、日本政策金融公庫では「小さく生んで大きく育てる」という考え方が基本です。
これは、最初から大きな資金を投入することよりも、無理のない資金計画と実現可能な事業計画でスタートし、軌道に乗った段階で次の投資を考える方が、結果的に成功率が高まるという現実に基づいています。
「小さく生む」＝リスクを抑える戦略
公庫がこの考え方を大切にしている背景には、創業初期のリスク管理があります。
たとえば：
- 計画通りに売上が立たなかった場合でも、借入額が小さければ返済負担を軽減できる
- 固定費（家賃・人件費など）を抑えることで、キャッシュフローの悪化を防げる
- 試行錯誤できる余地が残るため、柔軟な事業展開が可能になる
つまり「小さく生む」ことは、リスクをコントロールしながら持続可能な成長を目指す合理的な選択なのです。
「大きく育てる」＝成長を見据えた計画を
では、「小さく生んだ」事業をどう「大きく育てる」か？
それは、最初の創業融資ですべての資金を賄おうとしない代わりに、創業後の追加融資や制度資金の活用を視野に入れた資金計画を立てることです。
たとえば、
- 1年後に設備投資を見込んで、事前にその準備をしておく
- 初年度は最小限のスタッフで運営し、売上が安定した段階で人員を増やす
- 小規模でも利益を出せるビジネスモデルを構築し、段階的に拡張する
こうした戦略は、公庫の審査でも評価されやすく、堅実な経営者として信頼を得ることにもつながります。
創業計画書の作成において注意すべきポイント
「小さく生んで大きく育てる」ことを計画書で伝えるには、次の3点が重要です：
- 現実的な売上・利益の見込み
- 初期投資を抑える工夫（例：中古設備の活用、シェアオフィス利用など）
- 将来的な成長戦略（何年後に、どこに投資するのか）を明確に記載
資金繰りの視点からも、初期に“背伸び”をしないことが、後の資金調達の道を開きます。
焦らず、小さく始めて、着実に伸ばす
創業はスタートがすべてではありません。
むしろ、いかに続けていけるかが問われる世界です。
日本政策金融公庫の「小さく生んで大きく育てる」という方針は、まさにそれを実現するための考え方です。
無理のない計画でスタートし、成長に応じた資金調達を行い、確実に育てていく。
そんなビジネスの始め方を、ぜひ一緒に考えていきましょう。
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