知らないと危ない！金融機関が重視する“債務償還年数”とは
知らないと危ない！
金融機関が重視する
“債務償還年数”とは
こんにちは。行政書士で資金繰り改善を専門とする財務コンサルタントの西澤です。
日々、資金繰りや融資の相談を受ける中で、多くの中小企業の社長が 「債務償還年数」 という言葉を初めて聞く、あるいは意味は知っていても重要性を軽視しているケースに多く出会います。
ですがこの「債務償還年数」、実は 金融機関が融資可否を判断する上で非常に重視する指標 の一つです。
この記事では、なぜ債務償還年数が重要なのか、どうやって計算されるのか、そして 改善のために何をすればいいのか を、わかりやすく解説します。
債務償還年数とは？
簡単に言えば、「借金を何年で返せるか」を示す指標です。
具体的には、以下の計算式で算出されます：
債務償還年数 ＝ 有利子負債 ÷ キャッシュフロー（＝税引後利益＋減価償却費など）
たとえば、有利子負債が5,000万円、年間キャッシュフローが1,000万円であれば、債務償還年数は 5年 となります。
この数値が 短いほど返済能力が高い と見なされ、金融機関からの評価が上がります。
なぜ金融機関はここを重視するのか？
金融機関が貸し出しを行う際に最も気にするのは「回収できるかどうか」です。
そのため、表面的な売上や利益よりも、実際に借入を返済できるキャッシュがどれくらいあるかを見る傾向が年々強まっています。
債務償還年数が「10年以上」や「計算できない（キャッシュフローがマイナス）」となっている会社は、
● 融資審査でマイナス評価
● 追加融資や借換えの難航
● 金利条件の悪化
といった状況に陥ることが多いのです。
自社の債務償還年数、チェックしていますか？
以下のチェックリストに1つでも当てはまる方は、早めに自社の債務償還年数を確認・改善することをおすすめします：
- 銀行に決算書は出しているけど、「どう評価されているか」分からない
- 融資を申し込んだが断られた理由があいまい
- 利益は出ているのに、なぜか資金繰りが苦しい
- 借入金の返済が重く感じる
債務償還年数を改善するためにできること
債務償還年数を改善するには、以下の2つの方向があります：
① キャッシュフローを増やす（分母を大きくする）
- 利益率の見直し（原価の見直し、値上げ交渉）
- 減価償却費の適切な計上
- 節税しすぎない（過度な節税はキャッシュフロー悪化につながります）
② 有利子負債を減らす（分子を小さくする）
- 返済計画の見直し
- 不要な借入の整理
- 借入金の借換えによる返済額圧縮
まとめ：債務償還年数を“経営改善の指標”として使おう
債務償還年数は、金融機関の目線だけでなく、 経営者が自社の体力を把握するための重要な指標 でもあります。
「返せる力」があるかどうか。
それを数値で把握し、改善に向けてアクションを取れるかどうかが、今後の経営を左右します。
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