売上を追うより「粗利率アップ」を狙え!

最終利益に直結する“真の改善ポイント”とは
こんにちは、行政書士で資金繰り改善の財務コンサルタント西澤です。
「もっと売上を伸ばさないと…」
そうお考えの経営者の方は多いと思います。
しかし、本当に会社の利益を増やしたいのであれば、
売上額の増加よりも、粗利率(売上総利益率)の改善に目を向けた方が、
はるかに効果的なケースが少なくありません。
◆そもそも「粗利率」とは?
粗利率とは、
売上高に対して、仕入原価や外注費などを差し引いた「粗利」の割合です。
粗利率(%)=(売上 − 売上原価)÷ 売上 × 100
たとえば、売上100万円・原価70万円なら、粗利は30万円。
粗利率は30%ということになります。
この粗利が、家賃や人件費などの“固定費”をまかなう原資となり、
最終的な利益(営業利益や経常利益)に直結するのです。
◆売上1.2倍 vs 粗利率+5%、どっちが儲かる?
ここで、簡単なシミュレーションをしてみましょう。
【A社】現状
- 売上:1,000万円
- 粗利率:25% → 粗利250万円
- 固定費:200万円
- 営業利益:50万円
【ケース1】売上20%アップ(粗利率そのまま)
- 売上:1,200万円
- 粗利:1,200万円 × 25%=300万円
- 固定費:200万円
- 営業利益:100万円(+50万円)
【ケース2】粗利率を5%改善(売上そのまま)
- 売上:1,000万円
- 粗利:30% → 300万円
- 固定費:200万円
- 営業利益:100万円(+50万円)
◆ 売上増 vs 粗利率改善 ― シミュレーション比較表
| 比較項目 | A社 現状 | ケース1<br>売上20%増 | ケース2<br>粗利率5%改善 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 1,000万円 | 1,200万円 | 1,000万円 |
| 粗利率 | 25% | 25% | 30% |
| 粗利 | 250万円 | 300万円 | 300万円 |
| 固定費 | 200万円 | 200万円 | 200万円 |
| 営業利益 | 50万円 | 100万円 | 100万円 |
⇒ なんと同じ利益改善効果!
しかも、粗利率の改善には、無理に営業を増やす必要はなく、
経費削減や価格設定の見直しなど、社内でコントロールできる要素が多いのが特徴です。
◆粗利率改善のヒント
- 原価の見直し
仕入先を見直す・ロスを減らす・まとめ買いの交渉など。 - 値上げの検討
付加価値のある商品・サービスなら、「値下げ」より「値上げ」が効きます。 - 高粗利商品の販売比率を上げる
販売戦略を、粗利率の高い商品にシフト。
◆利益が増えると資金繰りも良くなる
粗利が増えれば、固定費を差し引いた後の営業利益も増加。
利益が出れば、金融機関からの評価も高まりやすく、資金調達も有利になります。
そしてもちろん、利益が増えることで、実際のキャッシュ(資金繰り)も改善します。
◆数字が苦手な社長さんもご安心ください
当事務所では、
粗利率や利益構造を見える化するサポートや、
**「利益改善 × 資金繰り改善」**の両面からのアドバイスを行っております。
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