会社のお金は足りてる？運転資金月商倍率の見方をやさしく解説
会社のお金は足りてる？
運転資金月商倍率の見方をやさしく解説
こんにちは。行政書士で資金繰り改善の財務コンサルタント西澤です。
日々、事業主の方から「黒字なのに資金繰りが苦しい」「どれくらいお金を手元に残しておけばいいのか分からない」といったご相談を多くいただきます。
こうしたお悩みを解決するヒントの一つが、「運転資金月商倍率」という指標です。
今回は、この「運転資金月商倍率」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
■ そもそも「運転資金」って何？
まずは基本から。「運転資金」とは、会社が日々の事業活動をスムーズに回していくために必要なお金のことです。
たとえば、こんなお金が「運転資金」にあたります：
- 材料や商品を仕入れるためのお金
- 家賃や水道光熱費などの固定費
- 給与や外注費などの人件費
- 税金や社会保険料などの支払い
これらは、売上が発生する前から支払う必要があるケースが多く、手元に一定のお金（＝運転資金）がないと、事業が回らなくなる可能性があります。
■ 「運転資金月商倍率」って何？
ここで登場するのが、「運転資金月商倍率」という指標です。
これは、会社が持っている運転資金が月商（1ヶ月の売上）に対してどれくらいの規模なのかを表すものです。
計算式はとてもシンプル：
運転資金 ÷ 月商 ＝ 運転資金月商倍率
■ 目安となる倍率は？
業種や取引条件によって異なりますが、
おおよそ「月商の2倍程度（倍率2.0）」が目安とされています。
たとえば、月商が500万円の会社であれば、運転資金として1,000万円を確保しておくと、資金繰りが安定しやすいということです。
この倍率が1.0以下になると、売上の減少や入金遅れが発生した際に、すぐに資金ショートするリスクがあります。
■ あなたの会社はどうですか？
たとえば、次のような状態になっていませんか？
- 毎月の支払日が近づくたびに資金繰り表とにらめっこ
- 融資に頼ることが習慣になっている
- 黒字なのにお金が増えない
こうした状態は、「運転資金月商倍率」が適正でない可能性があります。
■ なぜ利益が出ていてもお金が足りないのか？
「うちは黒字なのに、なぜ資金繰りが苦しいのか…」という声は少なくありません。
その理由は、お金の動きと利益のタイミングがズレているからです。
たとえば：
- 売上は上がっていても、入金が2ヶ月後
- 支払いはすでに発生している
- 在庫をたくさん抱えて資金が寝ている
このように、会計上の黒字と実際のキャッシュフローは別物なのです。
だからこそ、「運転資金」という概念が非常に重要になります。
■ 資金の“見える化”が経営を変える
「何となくお金が不安…」という経営者の方は多いですが、
この「運転資金月商倍率」を使えば、数字でハッキリとした資金余力を見える化できます。
感覚に頼るのではなく、数値に基づく判断ができるようになることが、安定経営の第一歩です。
■ 会社の体力を数値で把握しよう
運転資金月商倍率は、会社の体力（＝資金の余裕）を測る“物差し”のような存在です。
会社の売上が伸びていても、体力が不足していれば長続きしません。
この機会に、自社の「運転資金月商倍率」を一度確認してみてはいかがでしょうか？
■ お金の不安、数字の見方…ひとりで悩まずご相談ください
とはいえ、決算書を読み解いたり、資金繰りを分析するのはハードルが高いと感じる方も多いはず。
私のところにも、「誰にも相談できずにひとりで抱えていた」という方が少なくありません。
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