銀行が見る貸借対照表のポイントとは

銀行が企業の貸借対照表(バランスシート)を評価する際には、以下のポイントに注目します。

  1. 資産の質と流動性:
    • 現金および現金同等物:流動性が高く、すぐに利用可能な資産。
    • 売掛金:企業が他社に対して持っている未回収の売上金額。その回収可能性も重要。
    • 棚卸資産:在庫の価値とその流動性。
  2. 負債の構成:
    • 短期負債:1年以内に返済が必要な負債。銀行は企業の短期的な支払い能力を評価する。
    • 長期負債:1年を超えて返済される負債。企業の長期的な財務健全性を判断する。
  3. 自己資本の強さ:
    • 自己資本比率:総資産に対する自己資本の割合。高い自己資本比率は財務の安定性を示す。
    • 留保利益:企業が再投資や負債の返済に使える利益の蓄積。
  4. キャッシュフロー:
    • 営業キャッシュフロー:企業の営業活動から得られる現金流入と流出。営業キャッシュフローがプラスであることは、企業が日常の運転資金を自らの営業活動で賄えていることを示す。
    • 投資キャッシュフロー:設備投資や資産購入に関連する現金の動き。
    • 財務キャッシュフロー:借入金や返済、配当支払いなどの現金の動き。
  5. 財務比率:
    • 流動比率:流動資産を流動負債で割ったもの。一般に1.0以上が望ましいとされる。
    • 当座比率:流動資産から在庫を除いた当座資産を流動負債で割ったもの。これも1.0以上が望ましい。
    • 負債比率:総負債を総資産で割ったもの。低い方が良い。
  6. 財務安定性:
    • 借入金依存度:総資産に占める借入金の割合。借入金依存度が低い方が財務の安定性が高いとされる。

銀行はこれらの要素を総合的に評価し、企業の信用力や返済能力を判断します。