抵当権と根抵当権の違い、理解できていますか?

抵当権と根抵当権の違いとは

抵当権と根抵当権は、どちらも不動産を担保にしてお金を借りる際に設定される権利ですが、その性質に大きな違いがあります。

抵当権

  • 特定の債権を担保
    ある一つの借金(債権)に対して設定される権利です。
  • 一度の借入に対して設定
    借金をするたびに、新たに抵当権を設定する必要があります。
  • 完済すれば消滅
    借金を完済すれば、自動的に抵当権は消滅します。
  • 住宅ローンなどによく利用
    一般的な住宅ローンでよく利用される抵当権です。

 例:

  • Aさんが住宅ローンで1000万円を借りる際に、自宅に抵当権を設定します。
  • Aさんが住宅ローンを完済すれば、自宅の抵当権は消滅します。

根抵当権

  • 不特定多数の債権を担保
    将来発生する可能性のある、複数の借金(債権)を一括して担保にする権利です。
  • 一度設定すれば繰り返し利用可能
    設定された限度額内で、何度も借入と返済を繰り返すことができます。
  • 完済しても消滅しない
    借金を完済しても、根抵当権自体は消滅せず、残りの限度額内で再び借入をすることができます。
  • 企業の融資などによく利用
    企業が運転資金などを借入する際に、根抵当権を設定することがあります。

 例:

  • Bさんが経営する会社が、銀行と取引を開始し、根抵当権を設定しました。
  • 将来的に、運転資金が必要になった場合、設定された限度額内で繰り返し借入をすることができます。

抵当権と根抵当権の違い

区分抵当権根抵当権
担保の対象特定の債権不特定多数の債権
設定の回数借入ごとに設定一度設定すれば繰り返し利用可能
消滅債務完済で消滅債務完済しても消滅しない(限度額が残っていれば)
利用例住宅ローン企業の融資、不動産担保ローンなど