銀行は貸借対照表のここを見ている
銀行が企業の貸借対照表を見るポイント
銀行が企業の貸借対照表を見る際、その企業の財務状況を総合的に評価し、融資の可否や条件を決定するために、いくつかの重要なポイントに注目します。
銀行が注目する貸借対照表のポイント
- 純資産の状況:
- 債務超過ではないか:
資産よりも負債が多い状態(債務超過)は、企業の存続が危ぶまれる状況であり、融資には慎重になります。 - 自己資本比率:
自己資本比率が高いほど、企業の安定性が高いと判断されます。
- 債務超過ではないか:
- 流動資産と流動負債のバランス:
- 運転資本:
流動資産から流動負債を引いた金額。
運転資本がプラスであれば、短期的な債務支払能力があると判断されます。 - 現金比率:
現金と現金同等物が流動資産に占める割合。
現金比率が高いほど、短期的な支払能力が高いと判断されます。
- 運転資本:
- 固定資産:
- 固定資産の構成:
有形固定資産(建物、機械設備など)と無形固定資産(特許権、商標権など)の構成比を見ることで、企業の事業内容や成長性などを評価します。 - 固定資産の減価償却:
固定資産の減価償却費の推移を見ることで、企業の設備投資状況や資産の老朽化などを評価します。
- 固定資産の構成:
- 負債の状況:
- 借入金の状況:
借入金の残高、返済期間、金利などを詳細に分析し、企業の借入負担能力を評価します。 - 長期負債と短期負債のバランス:
長期負債が多い場合は、長期的な安定性はあるものの、短期的な資金繰りには注意が必要です。
- 借入金の状況:
- その他の項目:
- 棚卸資産:
商品や原材料などの棚卸資産の回転率を分析し、在庫管理の効率性を評価します。 - 売掛金:
売掛金の回収期間を分析し、顧客の支払い能力を評価します。 - 有形固定資産:
固定資産の評価額が適正か、過大評価されていないかなどを確認します。
- 棚卸資産:
銀行が貸借対照表を見る目的
- 企業の財務状況の把握:
貸借対照表は、企業の財務状況を静的な側面から示すものであり、銀行はこれを基に企業の財務体質を評価します。 - 融資のリスク評価:
貸借対照表を分析することで、融資のリスクを評価し、貸し倒れの可能性を判断します。 - 融資条件の決定:
貸借対照表の内容に基づいて、融資額、金利、担保などを決定します。
まとめ
銀行は、企業の貸借対照表を分析することで、その企業の財務状況を総合的に評価し、融資の可否や条件を決定します。
企業側も、自社の貸借対照表を理解し、銀行の視点で分析することで、より有利な条件で融資を受けることができるでしょう。