資金繰りが厳しいときに支払いを延ばしても良いものとは？
こんにちは。
資金繰り改善の専門家、財務コンサルタントの西澤です。
資金繰りが厳しくなると、「どの支払いを優先すべきか」「一時的に支払いを延ばしても良いのか」と悩む経営者の方は多いと思います。
無計画に支払いを遅らせると、取引先との信頼を失うリスクがありますが、判断を誤らなければ、一時的な資金繰りの緩和につながる場合もあります。
今回は、資金繰りが厳しいときに「比較的延ばしても問題の少ない支払い」と、その際に気を付けるポイントを解説します。
1. 支払い期日が比較的遠いもの
支払い期日がまだ先の場合、相手方への影響は比較的少ないと考えられます。
ただし、「支払いを延ばしても良い」というわけではなく、早めに相談し、了承を得たうえで延長をお願いすることが大切です。
一方的に支払いを遅らせてしまうと、信用を損なう原因になります。
信頼を維持しながら一時的に資金繰りを乗り切るには、「誠実な説明」と「具体的な支払い予定の提示」が欠かせません。
2. 支払額が比較的少ないもの
支払額が少額の場合、相手にとっての影響は限定的です。
ただし、「少額だから大丈夫」と油断して複数の支払いを延ばすと、結果的に大きな金額になることもあります。
小口の支払いを延ばす際も、「どの支払いを、いつまでに行うか」を整理しておくことが重要です。
資金繰り表や支払予定表を作成し、全体の資金の流れを見える化しましょう。
3. 延ばしても問題が比較的少ない支払い例
以下のような支払いは、交渉次第で一時的な延長が可能な場合があります。
- 公共料金：延滞金は発生しますが、すぐに供給停止になるケースは少ないです。
- クレジットカードの支払い：リボ払いや分割変更など、支払い条件を見直せる場合があります。
- 家賃（事業用）：大家さんに事情を説明すれば、一時的な猶予や分割を認めてもらえるケースもあります。
ただし、これらはいずれも「黙って延ばして良い」という意味ではありません。
必ず事前に相手へ連絡・相談し、了承を得ることが信頼維持の第一歩です。
支払いを延ばす前に必ず相談すべきケース
以下のような場合は、延ばす前に必ず相手に相談しましょう。
- 支払い期日が迫っている
- 支払額が大きい
- 延ばすことで相手の経営に影響が出る可能性がある
このような支払いを勝手に遅らせると、信用不安や取引停止など、かえって経営に悪影響を及ぼすことがあります。
専門家のサポートで「延ばす」よりも「整える」資金繰りへ
支払いを延ばす判断は、あくまで一時的な応急処置です。
本来は、資金繰りそのものを安定させる仕組みづくりが必要です。
- 返済スケジュールの見直し
- 売掛金の回収改善
- コスト構造の見直し
- 金融機関とのリスケ交渉 など
これらを組み合わせることで、資金繰りの「根本的な改善」が可能になります。
もし、「支払いが間に合わない」「資金ショートが怖い」と感じたら、早めに専門家へご相談ください。
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